HAPPY FOOD COLUMNさつまいも

2023年10月30日

紅はるかと紅あずまの違いは?甘さ・見分け方・食べ方を徹底比較!

紅はるかと紅あずまの違いは?甘さ・見分け方・食べ方を徹底比較!

近年の干し芋ブームを受け、注目が高まっている秋の味覚「さつまいも」。今回は、さつまいもの中でも人気が高い品種「紅はるか」と「紅あずま」の違いについて、甘さや食感、見分け方、産地などで比較しました。

またおすすめの食べ方や、安納芋・シルクスイートといったその他の品種との違いについてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

【比較】紅はるかと紅あずまの違い

紅はるかと紅あずまは同じ「紅」がつく赤紫色のさつまいもで、見た目こそ似ているものの、その甘さや食感は別物です。それぞれの特徴と違いについて、詳しく見ていきましょう。

  紅はるか 紅あずま
生産量※1 2位(シェア15.4%) 3位(シェア13.0%)
品種登録※2 2010年 1985年
交配品種※2 ・九州121号
・春こがね
・コガネセンガン(黄金千貫)
・関東859
産地 鹿児島県など九州が中心 千葉県や茨城県など関東が中心
外観 ・明るい赤紫色
・凸凹が少ない
・濃い赤紫色
・ゴツゴツしている
肉色 黄白
甘さ 強い甘味
・そのまま:およそ35度
・加熱後:およそ50~60度
ほど良い甘味
・そのまま:およそ14度
・加熱後:およそ32度
食感 ・ねっとり、とろとろ ・粘質 ・ホクホク ・粉質

※1:かんしょをめぐる状況について|農林水産省農産局地域作物課(令和4年6月) ※2:品種登録ホームページ(新)|農林水産省

生産量と産地の違い

最初に、紅はるかと紅あずまの生産量と産地の違いについて見ていきます。

農林水産省のデータ(※)によると、2019(令和元)年に栽培されたさつまいもで、作付が多かった品種は、1位がコガネセンガンでシェア22.1%、2位が紅はるかで15.4%、3位が紅あずまで13.0%という結果に。

このデータから、紅はるかと紅あずまはさつまいもを代表する人気品種だということがわかります。

根強い人気を誇る紅はるかと紅あずまですが、紅はるかは鹿児島県や大分県などの九州地方で、紅あずまは千葉県や茨城県など関東地方で主に栽培されています。この産地の違いから、紅はるかは西日本で人気が高く、紅あずまは関東で人気が高いと一般的には言われています。

しかし実際は、どちらの品種も日本各地で生産されている上、流通量も多く、最近では焼き芋や干し芋を専門に扱う小売店も増えてきていますので、地域差はあまり感じられなくなりました。

ちなみに1位のコガネセンガンという品種に聞き馴染みがないという方が多いかと思いますが、主にいも焼酎の原料として使用されているため、スーパーなどで見かけることが少ない品種となっています。

交配品種と品種登録年月日の違い

紅はるかと紅あずまを、交配品種と品種登録年月日の違いで見てみましょう。 紅はるかは、「べにはるか」という品種名称で2007年9月に出願され、2010年3月に登録が完了した品種です。「九州121号」と「春こがね」を掛け合わせて誕生した、比較的新しい品種となっています(※)。

一方、紅あずまは「ベニアズマ」という品種名称で1984年3月に出願され、1985年7月に登録が完了した品種です。「コガネセンガン」と「関東859」を掛け合わせたもので、ホクホク系の代表格と言われています(※)。

  紅はるか 紅あずま
品種名称 べにはるか ベニアズマ
交配品種 ・九州121号
・春こがね
・コガネセンガン(黄金千貫)
・関東859
出願日 2007/09/18 1984/03/31
登録日 2010/03/11 1985/07/18
対照品種 ・高系14号
・べにまさり
・高系14号
・ベニコマチ

※【引用】品種登録ホームページ(新)|農林水産省

また面白いことに、紅はるかの親である「春こがね」は、紅あずまと関東103号を掛け合わせた品種です。つまり、紅はるかと紅あずまは、祖父母と孫という関係性にあたるのです。

外観と肉色の違い

次に、紅はるかと紅あずまの見た目の違いについて見てみましょう。

紅はるかと紅あずまは、どちらも「紅」と名前につく通り赤紫色の外皮を持ちます。しかしよく比較してみると、紅はるかは明るい赤紫色をしているのに対して、紅あずまは濃い赤紫色をしています。

また形も少し違っており、紅はるかは平面に凸凹があまりないのに対して、紅あずまはゴツゴツしています。 加えて、肉色にも違いがあります。さつまいもを切った時に出る乳白色の液体はヤラピンという成分なのですが、紅はるかは他の品種と比べてヤラピンを多く含んでいるため、白と黄色の中間色のような肉色となっています。一方、紅あずまは鮮やかな黄色をしています。

甘さと食感の違い

次に、紅はるかと紅あずまの味わいについての違いをご紹介します。

紅はるかは、「(他の品種と比べて)はるかに優れている」ことからこの名前が付けられました。その名の通り、紅はるかが持つ糖度は群を抜いて高く、生の状態でおよそ35度、加熱後はおよそ50〜60度にまでアップします。ねっとりした食感で、クリーミーな味わいが人気の理由です。

対して紅あずまは、「これぞ焼き芋」というホクホク感が味わえる品種です。糖度は生の状態でおよそ14度、加熱後でおよそ32度と紅はるかに比べると低いですが、ちょうど良い上品な甘さで料理などにも使いやすく、ホクホク感だけでなくしっとり感もあるバランスが取れた品種となっています。

食べ方の違い

紅はるかと紅あずまは、どちらもシンプルに焼き芋で食べても美味しいのですが、それぞれの違いを活かした食べ方もおすすめです。

ねっとりして甘さが強い紅はるかは、甘露煮やケーキといった甘さが活きるアレンジがよく合います。また、紅はるかが持つしっとり感と甘みが引き立つ干し芋も絶品です。

対して紅あずまは、その程よい甘さと繊維の少なさを活かして、天ぷらや煮物、スープ、大学芋といった料理との相性が抜群です。スイートポテトにすれば、紅あずまならではのホクホク感と素朴な甘さが味わえます。

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安納芋・シルクスイートとの違いは?

安納芋・シルクスイートとの違いは?

最後に、紅はるか・紅あずまと並んで人気が高い品種「安納芋」と「シルクスイート」との違いについても見てみましょう。

安納芋の特徴

安納芋(あんのういも)は種子島原産の在来種です。ころんとした見た目で、甘みが強い品種となっています。その糖度は、生の状態で16度、加熱後はおよそ40度までアップします。

紅はるかと同じ粘質性でありながら、紅あずまのようなホクホク食感も楽しめるので、焼き芋はもちろん、ふかし芋や大学芋にして食べるのもおすすめです。

また、安納芋は今流行りの冷やし焼き芋にしても美味しい品種です。アルミホイルを巻いてオーブンなどで焼いた後、粗熱を取ってから、ホイルを巻いた状態で冷蔵庫へ。しっかり冷えたら食べ頃です。

シルクスイートの特徴

シルクスイートは、「春こがね」と「べにまさり」を掛け合わせた品種です。紅はるかの片親も「春こがね」ですので、紅はるかとは兄弟・姉妹のような関係になります。

シルクスイートの見た目は、紅はるかに似て表面の凹凸が少なく、外皮は明るい赤紫色です。見た目がそっくりな両者ですが、「シルクスイート」という名前の通り、紅はるかと比べて舌触りが滑らかという特徴を持ちます。

また食べ方については、シルクスイートの滑らかさが活きるポタージュやスイートポテト、プリンといった料理がおすすめ。パウンドケーキやパンの材料に使用すると、しっとり滑らかな味わいが楽しめます。

紅はるかと紅あずまの違いを楽しもう

今回は、さつまいもの人気品種である紅はるかと紅あずまの違いについてご紹介しました。

さつまいもの品種比べを楽しむのであれば、季節問わず手軽に食べられて、長期保存が可能な干し芋がおすすめです。私たち幸田商店では、紅はるかやシルクスイートをはじめ、多くの種類の干し芋を製造・販売しています。

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また、干し芋加工には適さない小振りや細長いサイズのさつまいもを焼き芋にした「冷凍焼き芋」も製造・販売しています。いろいろな種類があり食べ比べもできます。

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素材を活かしたものづくりで健康と食の豊かさをお届け

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海風が吹き、元気な土壌で育てられる茨城県の農作物たち。 さつまいものみを原材料にした干し芋を中心に、幸田商店では自然の恵みを活かした伝統のものづくりをしています。

国産の豆を使ったきなこやあずき、大麦の食品など、独自の加工技術や製法で美味しく安心安全な食品を製造。 素材の旨みがたっぷりの自社商品を通して、体の健康や食の豊かさを提案しています。

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